〝極楽〟はこんな所
生れでる仏教公園
長久手に五十万坪の法悦境
五色園ようやく竣工へ
名古屋の東郊二里余、ハイキングによし、ドライヴ・ウェイとしてまた好適の市外長久手村に繰りひろげられる広袤51万8千坪の〝極楽の縮図〟 眞宗五色園は、大工事なって名実ともに近く「仏教公園」として異色あるデビューをすることになった。
この日本最初とほこる仏教公園〝五色園〟はめざす「聖親鸞御事跡二十四態」のうち、さらに第十一景「六角堂」および第二十景「板敷山」、第二十三景「箱根権現」など三景の開眼式を19日朝9時から挙行。
いままでさし控えた計画の全貌を披露することとなったもので、同公園は昨年春着工し、工事を第一期50万円(三ヶ年継続事業)、第二期100万円(同上)、第三期180万円(同上)として行い、全国十数万の会員を擁する日本浄土眞宗同信会が母体となり、聖親鸞90年の生涯から二十四態をピックアップして、生けるがごとき聖人の姿を現示し、日本仏教のメッカとして呼びかけんとするもので、
「五色」の故は園内くまなく松、梅、桜、楓を植樹して、四季を通じて五色の光りまばゆき法の光りを織りなそうとするにあり、自然の公園としてもその完成が待たれている。
〔昭和11年4月15日 『名古屋新聞』 朝刊5面市内版〕